About 少女地獄
夢野久作「少女地獄」をアプリ化!
本作は、昭和11年に刊行された、少女の関わった事件をテーマとした連作小説であり、以下の短編3作から構成されている。
「何んでも無い」
医師・臼杵の前に可憐な十九歳の少女・姫草ユリ子が現れた。ユリ子は優秀な看護婦だが、虚言癖があった。それが臼杵や周囲の者にばれると姿を消す。一ヶ月後、ユリ子が自殺したという知らせが届くが……。
「殺人リレー」
田舎から上京してバスガイドになった智恵子のもとに、小学校の同級生でバスガイドのツヤ子からバスの運転士・新高は結婚詐欺師で殺人者だから、若し配属されてきたら気をつけろという手紙を受け取る。その一週間後ツヤ子は不審な事故死を遂げる。その後智恵子のもとに新高が配属され、智恵子はツヤ子の仇を討とうとするが新高に魅せられ……。
「火星の女」
県立女学校で焼身自殺が起き、その後校長の失踪や発狂、女教師の自殺や書記の大金拐帯などが起きる。そして自殺した女生徒の遺書が発見され、校長等の悪事が暴かれる……。
いずれも夢野久作の特長とも言える、幻想的なトーンが色濃く反映されている。