About セシウムの基礎知識
この本では事故によって放出された放射能(放射性物質)のなかでもっとも厄介なセシウムについて書きました。
セシウムが厄介なのは、その同位元素137の放射線を出す期間の半減期が30年と長いためです。福島原発周辺のみならず、放射性雲プルームが徘徊して汚染された地域の人々は程度の差はあれほとんど一生、セシウムと付き合わざるをえなくなりました。
放射能は目に見えないのに危害をもたらすために人々の不安をかき立てています。また放射能に対する知識と備えがないために汚染されたワラを与えられた牛が内部被ばくして被害を大きくしています。
「セシウムの基礎知識」はこうした日本の現状の改善に少しでもお役に立てればとまとめました。目にはみえない放射能だけれども、事実に即して科学的に、論理的に考えて対処すれば、いたずらな恐怖を取り除くことができるでしょう。